TEHAI-ONE COMPLETE GUIDE

テハイワン 完全ガイド

業者手配オートコールの構造・仕組み・運用ルールを、この1ページに全部まとめました。

社内本格実装用 | 2026年7月13日版 | ZENBU株式会社 ソリューション事業部 桐山

1. WHAT

テハイワンとは何か(30秒版)

まずこれだけ読めば、何者かはわかります。

設備修繕業者への「日程確認の電話がけ」を、ボタン1つで自動化するシステム。
Kintoneのボタンを押すと、ロボが優先順に業者へ自動発信。業者はガイダンスを聞いて「1」を押すだけ。 その瞬間に正式依頼書(SMS+メールPDF)が飛び、Chatworkに結果が届き、Kintoneに履歴が残り、業者の成績(スコア)まで自動で貯まる。
いままで(人力)テハイワン
電話がけ・かけ直し人が1社ずつ(5〜15分)ロボが自動(人は0分)
依頼書の作成・送付人が作ってメール(約10分)「1」の瞬間に自動発行
履歴入力・報告人がKintone入力+口頭報告自動記録+Chatwork自動通知
人の作業約15〜25分/件・8工程約10秒/件・1工程(ボタンを押す)
電話がけ中の入電取れない(機会損失)取れる(ロボが並行して架電)

参考: 同等システムの外注見積は初年度792万円(導入396万+年間利用396万・実在の見積書)。本システムは自社開発のため開発費0円。

2. ARCHITECTURE

全体構造 — 登場人物は6つ。

頭脳はクラウド(Cloudflare)に住んでいて、会社のPCが切れても止まりません。

Kintone 案件・業者マスタ(親データ) 「ロボで自動架電」ボタン 結果もここへ書き戻し Cloudflare(頭脳・24時間) 受付・審査(13項目のガードを通す) 案件ロボ(1案件に1体・優先順に発信) DB(案件状態・業者スコア・音声) 番犬(60秒ごと見回り・自動復旧) Twilio(電話網) 発信・プッシュ受付・SMS 応答した通話のみ課金 業者さん 聞いて「1」を押すだけ AI音声 代表電話AIと同じ声 Chatwork / メール 結果通知・依頼書PDF送付 社内PC(朝だけ) 業者リストを毎朝同期 「1」 実線=リアルタイム連携 点線=毎朝1回の同期。親データはKintone、クラウド側は「動作中の状態」と「業者スコア」のみ保持。

Kintone = 台帳

案件(#379/#475)と業者マスタ(#436/#502)の親。オペレーターの操作は全部ここから。

Cloudflare = 24時間働く本部

受付・審査・発信管理・記録。ChatGPTやClaudeも使う世界規模のクラウド。月約780円。

案件ロボ = 専属担当者

案件1件につき1体生まれ、その案件だけを最後まで担当(技術名: Durable Object)。

Twilio = 電話局

発信・プッシュ受付・SMSを担う世界標準のクラウド電話。

AI音声 = アナウンサー

ガイダンスを読み上げるだけ。会話はしない=言い間違い・余計な約束をしない。

Chatwork / GASメール = 伝令

結果を専用ルームへ即報告。依頼書PDFはメールで業者へ。

さらに詳しい仕組み → 技術構成ページ / Cloudflareって何? → 図解ページ

3. LIFECYCLE

1件の手配が流れる仕組み(数分間の出来事)

ボタンを押してから記録が残るまで、裏側で起きること全部。

1

ボタン押下Kintone

レコードの住所・問い合わせ内容・希望日時が、発信キー付きでクラウドへ送信される。

2

入口審査(0.1秒)13項目のガード

緊急案件でないか/県・ジャンルを特定できるか/業者リストは新鮮か(36時間以内)/同じ案件の二重押しでないか——1つでも引っかかると発信せず、理由を表示して人へ返す。

3

案件ロボ誕生専属担当者

案件専属のロボが1体生まれ、優先順の業者リストと案件情報を受け取る。ガイダンス音声もここで生成(電話回線品質に最適化済み=音割れしない)。

4

優先順に発信Twilio

1位から順に発信。出なければ即・次へ。呼び出し25秒・通話5分・1案件20社までの安全弁つき。不応答は課金ゼロ。

5

業者がプッシュ1=可 / 2=不可 / 3=もう一度

無入力2回・無効キー2回で「未入力」として次の業者へ。押された番号は案件トークン+通話IDの二重照合つきでクラウドへ届く(なりすまし不可)。

6

「1」の瞬間=確定処理全自動

受付番号入りの正式依頼書を生成 → SMS(携帯宛)とメール(PDF添付)で即送付。依頼書には作業着手前報告などの留意事項も全文掲載。依頼書URLは業者ごとに施錠。

7

報告と記録3か所へ自動

①Chatwork専用ルームへ結果通知 ②Kintone「入電・発信履歴」へ発信ログを書き戻し ③業者スコア(応答率・成立率)を更新。

8

全社ダメだった場合要フォロー

「⚠要フォロー」としてChatworkへ通知し、人へバトンを返す。処理が途中で止まっても番犬(60秒ごとの見回り)が自動復旧。

4. BRAIN

頭の中身 — 判定ロジック全公開

ロボが「何を見て」「なぜ断るのか」。ブラックボックスはありません。

① 緊急ブロック(最優先・これに当たると即お断り)

問い合わせ内容に以下の言葉があると、自動架電せず「人手で至急対応を」と返します:

階下漏電発火焦げ臭煙が出ガス臭ガス漏れ閉じ込め水が止まらな出水あふれ・溢れ感電

② 県の特定(住所から)

住所に県名があればそれを採用。政令市などで県名が省略されていても、20都市の変換表(仙台市→宮城県、名古屋市→愛知県、大阪市→大阪府 など)で補完。特定できなければ発信しません。北海道(4エリア分割)と、岩手・秋田の大東案件(手配表対象外)もお断りして人へ返します。

③ ジャンルの特定(問い合わせ内容のキーワード辞書)

ジャンル反応する言葉(実物の辞書)
水漏れ・水が止まら・詰まり・つまり・漏水・蛇口・トイレ・排水・断水・給湯・水道・便器・ウォシュレット・シャワー・逆流
鍵・カギ・解錠・施錠・インロック・紛失
ガスガス・コンロ・給湯器・給湯
電気電気・ブレーカー・停電・漏電・コンセント・照明・インターホン
ガラスガラス・窓が割・割れ
建具ドア・扉・建具・網戸・襖・障子・サッシ
害虫・害獣害虫・ゴキブリ・ハチ・蜂・ネズミ・ハト・シロアリ
ゴミ・清掃 / 共用部ゴミ・清掃 / 共用部・エントランス・エレベーター・廊下
誤架電より取りこぼしを優先する設計: 辞書に当たらない/複数ジャンルに当たる(例:「給湯器」は水とガスの両方)/エアコン・空調系 → すべて発信せず人へ返します。「間違った業者に正式依頼が飛ぶ」ことを最も嫌う思想です。

④ 業者の選び方

毎朝同期される手配優先順位表から、該当の県×ジャンル列を優先順に使用。ただし以下は自動発信の対象外:

対象外理由
GROP協力店先に人がGROPへ依頼する運用ルールのため(ロボはリスト順のみ担当)
営業時間外の業者今この瞬間に営業中の業者だけに掛ける
フリーダイヤル(0120/0800/0570)現在の発信番号(米国)から接続できないため空振り防止で除外

⑤ デモモード

受注番号が「DEMO」で始まる案件は、実業者に発信せずデモ担当(桐山)の携帯に接続。県・ジャンル判定など本物のロジックがそのまま動くため、商談・研修で安全にフル実演できます。逆に言うと、DEMOと付いていない案件でボタンを押すと実業者に掛かります。

5. OPERATION

オペレーターの操作(覚えることは3つだけ)

押す・見る・止める。以上です。

したいこと操作
発信するKintoneの案件レコード →「ロボで自動架電」ボタン → 確認ダイアログでOK。あとは放置。
結果を見るChatwork「【自動通知】手配ロボ」ルームに完了通知が届く(普段はこれだけでOK)。リアルタイム進捗はダッシュボード(初回は操作コード入力)。
止めるダッシュボードで該当案件を開き「停止」。Kintone側に停止ボタンはないので必ずダッシュボードから。

ロボに断られたときの対応表

断りメッセージ意味と対応
「緊急の可能性がある案件です」階下漏水・ガス臭など。手配ナビ/人手で至急対応
「都道府県を特定できません」「北海道は…」手配ナビから県・エリアを選んで手動手配。
「ジャンルを判定できません」「複数のジャンルに該当」給湯器・エアコン等の判断が要る案件。手配ナビから正しい業者を選ぶ。
「現在営業中の対象業者がいません」夜間など。時間を待つか、GROP協力店へ人が依頼。
「〇分前に発信済みです」二重押し防止。ダッシュボードで進行中の案件を確認。
「手配表データが最新化されていません」毎朝の同期が止まっている。手配ナビで手動対応し、管理者(桐山)へ連絡。

6. NOTIFY & LOG

通知と記録 — どこに何が残るか

3か所に自動で残ります。人の入力はゼロ。

① Chatwork通知(2パターンの実物)

手配確定【受付 SC2026…】○○マンション 203号室
手配先: △△設備 / 訪問日時: 7月14日 10:00〜12:00
SMS: 送信済み / 依頼書メール: 送信済み
Kintone: (レコードへの直リンク)
要フォロー【受付 SC2026…】□□ハイツ 101号室
優先順の業者すべてで手配が確定しませんでした。手配ナビから手動でご対応をお願いします。
・○○水道: 出ない ・△△設備: 留守電 ・□□住設: 対応不可

※ SMSが送れない業者(固定電話のみ・メール未登録)の場合は「⚠書面は手動送付要」と正直に表示されます。通知の文言は実際の送達結果と必ず一致します。

② Kintone「入電・発信履歴」

かけた業者ごとに1行、オペレーターの手入力と同じ形式で自動追記されます(担当:「手配ロボ」)。例:

[発信] 手配ロボ: △△設備へ自動架電 → 対応可(手配確定)/訪問 7月14日/SMS・依頼書メール送付済

③ 業者スコア(自動でたまる資産)

指標意味
応答率電話に出た回数 ÷ 有効な発信回数
対応可率(成立率)「1」を押した割合
総合ランク重み付きスコア(対応可100・不可50・未入力15・留守電10)で A(70以上)B(40以上)C
直近10件●◐○で直近の傾向を表示(ダッシュボードの業者スコアパネル)

人の感覚に頼らない業者評価が、手配のたびに勝手に蓄積されます。優先順位の見直し・委託先の品質管理に利用できます。

7. RULES

使っていい案件・ダメな案件(ここが一番大事)

テハイワンは万能ではありません。適材適所を守ることが成功条件です。

案件判定理由
翌日以降の訪問で、日程調整に余裕がある案件◎ 最適ロボの独壇場。かけている間、人は入電対応できる。
夜間・繁忙時間帯の非緊急案件○ 有効人手が足りない時間の戦力になる。
急ぎ(大東10分ルール対象・当日至急)✕ 使わないロボは1社に最大5〜7分かけることがあり、締切のある案件には不向き。人が最初から掛ける方が速い。
緊急(階下漏水・ガス臭・閉じ込め等)✕(自動ブロック)ロボが検知して自動でお断りする。人手で即対応。
金額の事前合意が必要な案件△ 注意依頼書は「金額合意前・正式発注は別途」の位置づけ。単価交渉が要る案件は人が話す。
訪問希望日が空欄の案件△ 注意日程未確定のまま依頼書が飛ぶ。日付を入れてから押す。
受注番号がDEMOで始まる案件デモ専用実業者に掛からずデモ担当の携帯へ。研修・商談用。
運用ルール(チーム約束): ⚠要フォロー通知は、手配担当が見たらまず👍リアクション(=拾った宣言)→ 15分以内に手配ナビで対応。複数候補日で成立した案件は訪問日が未確定なので、必ず人が業者へ電話して日を締める。

8. COST

料金(すべて実価格・円建てで確認済み)

2026年7月13日にTwilio・Cloudflareの実アカウントで照会した現在価格です。

1件あたりの変動費

項目単価
通話(応答分のみ・1分単位)固定宛 ¥12.0/分 携帯宛 ¥29.9/分 不応答は¥0
正式依頼SMS約¥43/通(¥14.4×3分割)
音声ガイダンス生成(AI)約¥2/件
典型的な1件(2社架電・1社成立)約¥60〜75

月額固定費

Cloudflare(サーバー・DB・番犬すべて)約¥780/月
日本の固定番号(発信者表示用・取得予定)¥767/月
米国番号(SMS用に1本残す)¥186/月
固定費合計約¥1,700〜1,900/月

月間シミュレーション

手配件数/月合計コスト置き換わる人の工数
100件約¥8,000約33時間
300件約¥2.2〜2.7万約100時間(15〜20万円相当)
500件約¥3.5〜4.5万約165時間

参考: 外注見積(実在・2026年3月)は導入¥3,960,000+利用料¥330,000/月。本システムの開発費は¥0(AIコーディングで開発期間1日)。

9. SAFETY

守りの仕組み(先回りの安全設計)

「AIの暴走が怖い」への答えは、すべて実装済みです。

会話しないAI

音声は一方通行。業者が何を言っても解釈・約束をしない=事故の余地がない。

迷ったら人へ返す

緊急・判定不能・複数該当は発信しない。誤架電より取りこぼしを選ぶ思想。

二重架電ガード

同じ案件の30分以内の再発信を自動ブロック。

データ鮮度ガード

業者リストの同期が36時間止まると発信を自動停止(古い番号への誤架電防止)。

三重の鍵

発信キー・操作コード・案件トークン+通話ID照合。依頼書URLは業者別に施錠(他社の依頼書は開けない)。

安全弁と番犬

1案件20社・呼出25秒・通話5分の上限。60秒見回りで自己復旧。停止ボタンで即中止。

正直な通知

SMS・メールの実際の送達結果しか報告しない。送れなかったら「手動送付要」と明示。

個人情報の最小化

SMS本文に住所・契約者名を載せない(施錠された依頼書の中にだけ記載)。

10. LIMITATIONS

まだできないこと・注意点(正直コーナー)

導入判断はここまで読んでから。隠し事なしです。

制限影響対応予定
発信者番号が米国(+1)業者が警戒して出ない→応答率低下。本格運用の最大障壁。日本番号(月¥767)取得=規制バンドル再提出のみ。展開の前提条件
「1」の取り消しボタンがない押し間違いでも正式依頼書が飛ぶ。誤発注時は人が業者へ電話でお詫び・再調整(型を運用で用意)。
GROP協力店の帯(9-21時)ロボはGROPを飛ばしてリスト業者に確定する。運用ルールで先にGROP→ダメならロボ。時間帯ブロックの実装も可。
#475(自社・緊急出動)は未接続ボタンは#379(大東他社)のみ有効。#475は緊急案件が多く相性が悪いため、当面対象外が正解。
複数候補日の成立は日程未確定「いずれかの日で対応可」の意味。人が業者へ電話して日を確定(運用ルール化済み)。
業者リスト同期は社内PC依存PCが2日止まると発信停止(安全側)。同期失敗のChatwork通知/クラウド化を今後実装。

11. ROLLOUT

段階導入プラン(失敗しない出し方)

一気に全開放しない。「最初の悪い第一印象」だけが敵です。

0

準備(今週)

日本番号の規制バンドル再提出/主要業者へ「自動確認電話が始まります」の周知文送付/Chatwork本番ルームへオペレーター招待+運用オーナー1名指名。

1

限定パイロット(1〜2週間)

オペレーター1名・大東の非緊急/翌日以降訪問の案件のみ・1日5件まで。毎夕5分のふりかえり。KPI: 成立率30%以上・誤発信0件・時短の実感。

2

全体展開

KPIクリアで全オペレーターへ。このガイドの読み合わせ15分+DEMOレコードで各自1回体験発信。用途ルール(急ぎ禁止)を朝礼で明言。

3

拡張(安定後)

業者スコアを優先順位の見直しに反映/月次実費レポート自動化/せっかちモード・AI会話モードなどの追加機能を検討。

12. Q&A

よくある質問(想定問答)

Q. データベースはどこにある?
親データはKintone(今まで通り)。動作中の状態と業者スコアだけCloudflareのクラウドDBが持ちます。
Q. これはAIなの?
声はAI・判断はルール辞書・会話はしない、が正確です。会話型AIのモードも別途保有していますが、業者向けは確実性重視であえて一方通行にしています。
Q. 会社のPCが壊れたら止まる?
発信・SMS・通知・記録はすべてクラウドなので影響なし。業者リストの毎朝同期だけがPCの役目で、止まると36時間後に安全側で発信を止めます。
Q. 業者から折り返しが来たら?
SMS・依頼書に手配窓口(03-6633-1865)を明記済み。そこへ掛かってきます。
Q. 誰でも発信できてしまうのでは?
Kintoneにログインできる社員のみ。さらに発信キー・二重押しガード・デモモード・停止ボタンで多重に守っています。
Q. 費用が暴走しない?
1案件20社上限・不応答は課金ゼロ・1件あたり最大でも数百円。月次の実費はTwilio管理画面でいつでも確認できます。
Q. なぜ外注せず内製?
外注見積は初年度792万円でした。内製は開発費0円・運用月数万円で、しかも自社の手配ルールに完全に合わせて毎日改善できます。